ゴルフルールのトリビア|第6回
冷えた朝、グリーンがうっすら白くなっていました。「球が通るところだけ払っておこう」とタオルを出す前に、ひと呼吸。今回は霜を取り除く行為と、雪を取り除く行為の違いを確認します。
Q. グリーンの霜を払ったら、打つ前でも罰?
- 個人のストロークプレーで、自分の球はそのホールのパッティンググリーン上に止まっている。
- 次のパットを転がしやすくするため、球とカップの間の霜をタオルで意図的に払い、プレーの線を改善した。
- 球は動いておらず、まだパットしていない。積もった雪ではなく、芝に付いた霜である。
答えと正しい処置を見る
この条件なら、パットする前でも2罰打です。
霜を取り除いて次のストロークに影響する状態を改善する行為は認められません。今回改善したのは、球が通るプレーの線です。球が動かなかったことや、まだ打っていないことを理由に無罰にはなりません。マッチプレーなら一般の罰はホールの負けです。
白く見えても、霜と雪は同じ扱いではない
霜と露は、ルースインペディメントにも一時的な水にもなりません。一方、雪と自然の氷(霜以外)は、ルースインペディメントとして扱うか、地面の上にある場合は一時的な水として扱うかを選べます。見た目が白いかどうかだけで決めないことが大切です。
「自然にできたものなら何でも取り除ける」わけではありません。また、今回のクイズはグリーン上のプレーの線を改善した場面です。ティーイングエリア内で露や霜を取り除くことが認められる場合まで、同じ扱いにしないようにします(規則8.1b(8))。
触る前に確認する3ステップ
- STEP白いものの正体と球の場所を確認
タオルやクラブで触る前に、芝に結晶が付いた霜なのか、地面に積もった雪なのかを確認します。併せて、自分の球がグリーン上か、ジェネラルエリアかを確認しましょう。救済の方法は球の場所で変わります。
- STEP霜は払わず、そのままの状態で考える
霜だけを理由に、プレーの線を掃いたり、好きな所へ球を移したりはできません。クイズのようにすでに霜を払い、線を改善してしまった場合は2罰打を加え、球の今の位置から続けます。霜を戻せば必ず罰が消える、という処置ではありません。
- STEP雪なら、取り除きか救済かを選ぶ
球から離れた雪をルースインペディメントとして取り除く方法のほか、地面の雪を一時的な水として扱い、障害があれば規則16.1の救済を選べます。球がグリーン上なら、原則はホールに近づかない完全な救済のニヤレストポイントに球をプレースします。ドロップではありません。
コーチと確認する、間違えやすいところ

生徒:白いものを払うだけなのに、雪なら違うのですか?

コーチK:そう。霜と雪では、規則上の分類が違うんだ。まず何があるかを確かめよう。霜がパットの邪魔でも、雪と同じつもりで掃いてはいけないよ。

雪を取り除くとき、球が動いてしまったらどうしますか?

元の位置へリプレースする。グリーン上の球を偶然動かした場合は無罰だけれど、グリーン外でルースインペディメントを取り除いて球が動くと、原則1罰打だよ。取り除ける物でも、球の場所と動いた原因は別に確認しよう。
霜・雪・自然の氷・露を比べる

芝に付いた霜
霜は、露と同じくルースインペディメントでも一時的な水でもありません。グリーン上で、次のパットの線を良くするために意図的に取り除くと、規則8.1a(5)の一般の罰となります。霜だけを理由に規則16.1の救済は受けられません。

地面の上に積もった雪
雪はルースインペディメントとして取り除けます。地面の上にある雪は、一時的な水として扱う選択もあります。その場合は、球・スタンス・スイングなどへの障害があるかを確認してから、球のある場所に応じた救済を受けます。

地面の上の自然の氷
霜以外の自然の氷も、雪と同様に扱いを選べます。地面の上なら、一時的な水として扱うこともできます。冷却用の氷など人工の氷は「障害物」という別の分類なので、自然の氷とひとまとめにしません。

芝に付いた露
芝に付いた露も、霜と同じくルースインペディメントでも一時的な水でもありません。タオルで拭いて次のパットの線を改善すれば一般の罰です。雨などで地表にたまった水とは区別しましょう。
今日のひとこと
払う前に、霜なのか、雪なのか。
判断する順番は「何があるか」「球はどこか」「何をしようとしているか」。グリーン上の雪を一時的な水として扱う場合は、プレーの線への障害も確認します。完全な救済を受けられる地点がない場合には別の扱いがあるため、自己流で遠くへ移さず規則16.1dを確認しましょう。
バンカーの落ち葉や小石、拾ってもいい?|ゴルフルールのトリビア③では、ルースインペディメントを取り除くときの注意点を確認できます。
グリーンでボールをうっかり蹴ったら1打罰?|ゴルフルールのトリビア①では、グリーン上の球を偶然動かした場合の戻し方を紹介しています。
根拠:R&A 規則8.1a(5)・8.1b(8)、定義「ルースインペディメント」「一時的な水」「一般の罰」、規則15.1、規則16.1a・16.1d、JGA ゴルフ規則。追加の詳説はR&A/USGAの2026年10月2日版を照合。確認日:2026年10月26日。
本記事は、上のクイズの条件に絞った解説です。実際の競技で判断に迷った場合は、競技委員に状況を伝えて確認してください。














