「30ヤード以内になると手首を使いすぎる」「トップとダフリが交互に出る」――そんな人が最初に覚えたいのが、基準となる中弾道のアプローチ「バニラピッチ」です。特殊な技ではなく、構えたロフトを保ち、胸の回転でシンプルに運ぶ打ち方。構えから練習法、使いやすい状況まで順番に解説します。
バニラピッチとは|基準になる中弾道のアプローチ
- シャフトをほぼ垂直に構える 手元を極端に左へ出さず、ウェッジ本来のロフトとバウンスを使いやすくします。
- ボールは中央〜やや左 フェースはスクエアから少し開く程度にし、低く打ち込みすぎない構えを作ります。
- 胸の回転を止めない 手首や脚へ大きな動作を足さず、胸と腕を一緒に動かして振り抜きます。
Parker McLachlinの解説では、バニラピッチをグリーン周りの基準になる中弾道のショットとして紹介しています。56〜60度のウェッジを使い、シャフトをほぼ垂直、ボールを中央より少し左へ置くのが基本です。
手元を大きく先行させると、構えたときよりロフトが立ち、低く強い球やリーディングエッジのミスが出やすくなります。バニラピッチでは、アドレスのロフトを大きく変えずにインパクトへ戻す意識を持ちます。
Scottie Schefflerの解説でも、胸を回し続け、構えたロフトを保つことが基準球のポイントとされています。下半身を固めるのではなく、意図的な踏み込みや蹴りを増やさず、上半身の小さな回転に自然に反応させます。
国内では青島賢吾プロが、寄せの動作を単純化する方法として解説しています。ただし万能ではありません。深いラフや高い球を強く求められる場面では、ライに合う別の打ち方を選びます。
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バニラピッチの打ち方 3ステップ

56〜60度を目安に、スタンスを狭くします。ボールは中央〜やや左、シャフトはほぼ垂直、フェースはスクエア〜少し開く程度に構えます。
手首でクラブを持ち上げず、胸の向きと腕を一緒に動かします。5〜15メートルなら、手元が腰からみぞおち付近に収まる振り幅から始めます。
ボールの手前から芝を薄く払うように振り、インパクトで止めません。胸を目標へ向け、立ったままバランスよく小さく振り抜きます。
練習では、最初に5〜15メートル先へ落とす一つの距離を決めます。同じ構えとテンポで10球打ち、成功球ではなくキャリーの散らばりを確認してください。振り幅を変える前に、芝へ触れる位置と落下地点を揃えます。
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バニラピッチが向く状況・向かない状況
| 状況 | 相性 | 判断ポイント |
|---|---|---|
| 花道・短く刈られた芝 | 向いている | 平らなライから基準の中弾道を打ちやすい |
| ボールが浮いた浅いラフ | 使いやすい | フェースと芝の間へ草が入りすぎないか確認 |
| 沈んだ深いラフ | 向きにくい | 脱出に必要な入射角やフェース操作を優先 |
| バンカー越えで高さが必要 | 向きにくい | ロブ系の構えや別の落とし場所を検討 |
最初に見るのはボールの沈み方と、必要なキャリーです。平らで短い芝ほど基本のバニラピッチを再現しやすく、深いラフや強い傾斜ではライへの対応を優先します。
転がしで障害を避けられるなら、よりロフトの少ないクラブも選択肢です。バニラピッチを基準球にしておくと、必要な高さやランを足し引きしやすくなります。
まず一つの「普通の球」を作る――特殊な寄せは、その基準から必要な要素を足し引きします。
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生徒: パターと同じグリップに変える必要はありますか?





コーチ: 必須ではありません。普段のグリップでも、握る強さを抑え、手首の動きを増やさず胸で運べれば大丈夫です。





下半身は完全に止めた方がいいですか?





完全に固定する必要はありません。強い踏み込みや蹴りを意図的に足さず、胸の回転へ自然に反応させます。





ボールを右足寄りに置く方がダフりませんか?





右へ置きすぎるとロフトが立ち、トップや強い球が増えます。中央〜やや左から始め、芝の状態に合わせて微調整してください。





深いラフやバンカーでも同じ打ち方でいいですか?





第一候補にはしません。深いラフは脱出しやすい入射角、バンカーは砂を使える構えが必要です。ライに合う打ち方へ切り替えます。
バニラピッチは、芝へ触れる位置とアドレスのロフトが少し変わるだけでも球筋が変わります。自分の構えを対面で確かめたい人は、体験レッスンで比較できるゴルフスクールから、初心者への説明が丁寧な候補を探してみてください。
実践ポイント3か条
- シャフトとロフトを毎回揃える 手元を極端に左へ出さず、同じボール位置とフェース向きから始めます。
- 胸と腕を一緒に動かす 手首だけで上げず、インパクト後も胸の回転を止めません。
- 使う状況を先に選ぶ 短い芝と標準的な高さを基準にし、深いラフや高い球では別の選択肢を使います。
この3か条を揃えると、寄せのたびに違う動作を作らず、一つの基準球から距離と高さを調整できます。最初は一つのウェッジ、一つの着地点、一つの振り幅に絞ってください。
練習では10球のキャリー・芝へ触れた位置・フィニッシュの高さを記録します。3項目が揃ったら、同じ振り幅でウェッジを替え、キャリーとランの違いを把握します。
参考動画
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バニラピッチを安定させる練習器具
ゴルスタ編集部まとめ
バニラピッチは、特別な一発ではなく基準になる中弾道の寄せ。
シャフト・ロフト・胸の回転を揃え、使う状況を選ぶ。
バニラピッチは、構えたロフトを保ち、胸の回転で中弾道に運ぶ基本のアプローチです。シャフトをほぼ垂直にし、ボールを中央〜やや左へ置き、コンパクトに振り抜きます。短く刈られた芝で基準距離を作り、深いラフや高いキャリーが必要な場面では無理に同じ打ち方へ当てはめないことが大切です。


















