ゴルフルールのトリビア|第5回
長いパットが転がって、同伴者の球にコツン。偶然だから無罰なのか、それとも罰があるのか、迷いやすい場面です。今回は、グリーン上から打った球が、止まっている別の球に当たったケースを確認します。
Q. パットが同伴者の球に当たったら、誰に罰?
- 個人のストロークプレーで、打つ前には自分の球も同伴者の球も同じパッティンググリーン上にある。
- パットした自分の球が、グリーン上に止まっていた同伴者の球に偶然当たり、両方ともグリーン上の別の位置に止まった。
- 球を援助のために残す合意や、拾い上げる要請を無視した行動はない。
答えと正しい処置を見る
打った人に2罰打です。打った球は止まった所から続けます。
このパットを1打として数え、さらに2罰打を加えます。元のパット位置へ戻してやり直す処置ではありません。一方、当たって動かされた同伴者の球は無罰で元の位置へリプレース(手で置いて戻す)します。
「打つ前の位置」と「競技形式」で判断する
今回の2罰打は、ストロークプレーで、打つ前に2球ともグリーン上にあったことが条件です。グリーン外から転がした球が当たった場合や、マッチプレーの場合まで、ひとまとめに判断しないようにしましょう。
当たった相手の球が、止まっていたことも大切です。グリーンから打った自分の球が、同じグリーン上で動いている別の球に当たった場合は、元の場所から再プレーする別の扱いになります(詳説11.1b(2)/1)。
当たった後の処置を3ステップで確認
- STEP打つ前の2球の位置を確認する
まず、球を動かす前に状況を共有します。打つ前の自分の球と相手の球はどこにあったか、相手の球は止まっていたか、ストロークプレーかマッチプレーかを確認します。
- STEP打った球は止まった所から続ける
クイズの条件なら、このパットを数えて2罰打を加えます。打った自分の球は、新しく止まった所から次をプレーします。罰があるからといって、自分の判断で打ち直さないようにします。
- STEP動かされた球は元の位置へ戻す
止まっていた同伴者の球は、衝突前の位置へ手で置いて戻します。元の位置が分からなければ、球を見ていた人や芝上の目印など、得られる情報から推定します。動いた先を新しい位置にしません。
コーチと確認する、間違えやすいところ

生徒:ぶつけた側の球も、元へ戻すのですか?

コーチK:戻すのは、止まっていて動かされた球だよ。今回、打った側の球は止まった所から続ける。同じ衝突でも、2つの球の処置を分けて考えよう。

2罰打になるなら、打つ前に何をすればいいですか?

ライン上や近くの球に当たりそうなら、先にマークして拾い上げてもらおう。プレーの障害になると合理的に考えられる球は、拾い上げを頼める。相手が処置を終えるのを待ってから打つことも大事だね。
似た場面でも、条件を分ける

2球ともグリーン上
ストロークプレーで、打つ前に2球ともグリーン上にあり、止まっていた別の球に当たると、打った人に2罰打です。打った球は止まった所、動かされた球は元の位置へ戻します。

自分の球はグリーン外
自分の球がカラーなどグリーン外にあり、そこから打ってグリーン上の止まっている球に偶然当たった場合、この衝突自体に罰はありません。使ったクラブがパターでも、グリーン上からのストロークにはなりません。

当たった球がグリーン外
自分はグリーン上から打っても、当たった球がカラーなどグリーン外にあったなら、2球ともグリーン上という条件を満たしません。この偶然の衝突自体は無罰で、動かされた球は元へ戻します。

マッチプレーの場合
マッチプレーでは、2球ともグリーン上にあっても、この偶然の衝突自体に罰はありません。打った球は止まった所からプレーし、当たって動かされた球は元へ戻します。援助の合意や拾い上げ要請への違反は別に確認します。
今日のひとこと
打った球は止まった所、動かされた球は元の所。
当たりそうな球が見えたら、打つ前の一声を習慣にしましょう。「マークをお願いします」と頼み、球を拾い上げてもらってから構え直せば、衝突やその後の処置で慌てずに済みます。
グリーンでボールをうっかり蹴ったら1打罰?|ゴルフルールのトリビア①では、自分が偶然触れて球を動かした場面を確認できます。球同士が当たった今回とは、動いた原因を分けて考えましょう。
ボールを探していて、うっかり動かしたら罰?|ゴルフルールのトリビア④では、元の位置が分からないときの戻し方も紹介しています。
根拠:R&A 規則11.1、規則9.6、規則15.3、R&A/USGA 追加の詳説(2026年10月2日版、11.1b(2)/1)。確認日:2026年10月25日。
本記事は、上のクイズの条件に絞った解説です。実際の競技で判断に迷った場合は、競技委員に状況を伝えて確認してください。














