「スイングするとボールが右へ出る(プッシュ)/急に左へ強く曲がる(フック)…」そんな症状、ありませんか? その多くはクラブがインサイドから出すぎ=インサイドアウトが過多になっているのが原因。とくにテイクバックでの捻転不足や手だけで内へ引く初動、シャフトを寝かせる癖があると発生しやすくなります。本記事では、原因の見極めから“まっすぐ出せる”修正法、そして状況別にあえてインサイド目を使う応用まで、実践的に解説します。
なぜ「インサイドに出すぎ」が曲がりを招くのか
- 打ち出し方向が右へズレる 手元主導で内へ引くと、切り返し後もクラブが内側を通り、ボールは右へスタートしやすい。
- フェースと軌道の差が大きくなる フェースが少し閉じると過剰ドロー〜フック、開くとプッシュアウトに。
- 再現性が低下 捻転不足やシャフト寝かせでプレーンが毎回変わり、曲がり幅が安定しない。
要は「クラブの通り道(パス)」と「フェース向き」の差が大きいほどボールは大きく曲がります。真っすぐの再現性を上げるには、初動から手で内に引かない・胸と骨盤の捻転を先行・ハーフウェイバックの形を固定──この3点が近道です。
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インサイド出過ぎを直す 3ステップ
- 初動は“胸で上げる” 9時(シャフトが地面と平行)までは手を内へ引かず、胸と骨盤の回旋でヘッドを動かす。ヘッドは手よりわずかに外に位置する意識を。
- 捻転を十分に 右腰が引けずに手だけ上がるとパスが内へ。トップで骨盤<胸の捻転を保ち、右肘は身体の前に残す(背中側へ回し込まない)。
- ハーフウェイバックの形を固定 9時の位置でフェースはやや下向き、シャフトは足先ラインと平行。このチェックを毎球ルーティン化すると切り返し後のプレーンが安定。
まずはこの3点を動画で自己確認。正面と後方の2アングルで撮ると「手で内へ引いている」「シャフトが寝る」などの癖がすぐ可視化できます。矯正には、あえて外へ上げる誇張ドリル(クラブ先端でターゲットラインを指し続ける意識)も有効です。
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あえて“インサイド目”でもOKな4シーン
シーン | 狙い | ワンポイント |
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軽いドローで飛距離を稼ぐ | 右へ打ち出し戻す | 体はやや右・フェースは打ち出し方向。過度な内からはNG。 |
フォロー風で低スピン中弾道 | ランを確保 | インサイド目+入射浅めでスピン過多を防ぐ。 |
右サイドが安全なホール | 安全側に逃がす | 目標を右サイドに設定しフェース管理優先。 |
FWのティーショット | つかまりと直進性 | 軽いインサイド目で過剰ヘッドターンは抑える。 |
インサイド目を使うときのカギは「幅(度合い)」を決めること。たとえば「右足を2〜3cm引く」「打ち出しはピンの1本右」など、数値化してルーティン化すると暴れません。
意図して使うインサイド──これが“曲げずに捕まえる”近道。
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よくある質問(FAQ)

生徒: テイクバックでどうしても手が内に入っちゃいます。意識して外に上げると今度はぎこちなくて…。自然に直すコツはありますか?

コーチ: 初動を胸と骨盤の回旋で始めよう。9時までは手を内に引かず、ヘッドが手より少し外にある意識でOK。アライメントスティックを足先ラインに置くと感覚が掴みやすいよ。

切り返しでシャフトが寝てしまい、インサイドから出すぎてプッシュやフックが出ます。どう修正すれば?

トップから右手首の背屈(手の甲側)を保つと寝にくい。9時の位置でフェースをやや下向き、シャフトは足先ラインと平行──この形を固定しよう。

ドライバーだけ極端にインサイドから入って右へ出ます。アイアンは比較的まっすぐです。

ティーが高すぎ・ボール位置が前すぎの可能性。左かかとの内側前を基準に、目線を低めにして体の正面でとらえる意識に。

矯正のためのおすすめドリルを1つだけ選ぶなら? 続けやすいやつが知りたいです。

「9時チェック」がベスト。毎球、9時で一度止めて形を確認→そのままヒット。10球に1回でOK、1週間で感覚が変わるよ。

ありがとうございます!今日からその9時チェック、続けてみます!
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実践ポイント3か条
- 初動は手ではなく胸 手で内に引かない。胸と骨盤の回旋で9時まで運ぶ。
- 9時ポジションを固定 シャフト=足先ラインと平行、フェースやや下向き。
- 逆方向ドリルで中和 あえて“外へ上げる”素振りを挟み、内から出すぎる癖をリセット。
スイングの改善には、まず手先ではなく胸の回転でクラブを動かすことが重要です。9時の位置ではシャフトを足先ラインと平行にし、フェースはやや下向きに保つことで正しい形を作れます。さらに、逆方向ドリルを取り入れて外振りを意識することで、内から出すスイングの癖をリセットし、安定したショットにつながります。
参考動画
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ゴルスタ編集部まとめ
「まず“出し過ぎ”を止める、次に意図して使う」──これで直進性と飛距離の両立が見えてきます。
スマホ撮影→9時チェックのループを練習に取り入れ、今日から“真っすぐ強いボール”を手に入れましょう!
最終的には、自分の中で「この初動ならこの打ち出しが出る」という再現性を高めることがスコアメイクに直結します。基本と応用をバランスよく取り入れ、状況に応じて“狙って”インサイドを使いこなしましょう。