ゴルフルールのトリビア|第8回
ラフで見つからなかった球が、諦めて戻ろうとした瞬間に見えることがあります。まだ別の球を打っていなければ、その球で続けられるのでしょうか。今回は球が見つかった時刻と、自分の球だと確認する時間を分けて考えます。
Q. 3分10秒で球を発見。この球で続けられる?
- 個人のストロークプレー。ティーショットがペナルティーエリア外のラフへ。暫定球は打っていない。
- プレーヤーが捜索を始めてから、中断なく3分が経過。それまで候補の球は一つも見つかっていない。
- 戻ろうとした3分10秒の時点で、元の球を初めて発見。まだ別の球を打っていない。紛失球の代替救済を認めるローカルルールや、別の救済を認める事実上確実な事情はない。
答えと正しい処置を見る
この球では続けられません。紛失球として、1罰打を加えて直前の場所から打ち直します。
中断のない捜索で3分以内に球が見つからなければ、その球は紛失球です。3分10秒で元の球を発見しても、インプレーの球には戻りません。今回のティーショットなら、ティーイングエリアに戻って打つ次のショットが3打目。まだ別の球を打っていないことは、この結論を変えません。
捜索の3分と、球を確認する時間は別
3分は、プレーヤーかキャディーがその球を探し始めたときから数えます。球を打った瞬間や、球のある辺りへ歩き始めた瞬間からではありません。時計を見て開始時刻を共有しておくと、戻る判断も曖昧になりにくくなります。
「3分を過ぎて初めて見つかった」と「3分以内に見つかり、確認中」は別です。時間内に候補の球が見つかれば、自分の球かどうかを速やかに確認するための合理的な時間が認められます。捜索の延長として、さらに別の場所を探してよいという意味ではありません。
見つかった球を打つ前の3ステップ
- STEP捜索が始まった時刻を確認
プレーヤーまたはキャディーが捜索を始めた時刻を確認します。後続組を先に通すために捜索を止めるなど、規則上、時間に含めない中断もあります。このクイズは、そのような中断がなく3分が経過した場面です。
- STEP発見と識別を分けて確認
球が初めて見つかった時刻を確認します。例えば2分50秒で同伴者が候補を見つけ、プレーヤーが離れた所にいる場合は、そこへ行くための合理的な時間も認められます。到着後は速やかに識別を試み、終盤の発見では最長1分が合理的な確認時間の目安です。
- STEP紛失球なら、直前の場所へ
時間内に見つからなければ、原則は1罰打のストロークと距離の救済です。直前のストロークを行った場所から、規則14.6の方法でプレーします。今回のティーショットなら、ティーイングエリア内で再びティーアップできます。
コーチと確認する、時間の境界

生徒:戻る途中で自分のマークを見つけても、今度こそその球は使えないのですね?

コーチK:今回のように、3分以内には見つかっていなければ使えないよ。「物として見つかった」ことと「プレーを続けてよい球」かは分けて考えよう。

時間内に見つけた球が、自分のものかすぐには分からないときは?

速やかに確認しよう。終盤に見つかった場合は、現場へ行く合理的な時間と、そこで最長1分の確認時間が目安になる。確認した結果、別人の球で、その時点で3分を過ぎていれば、元の球を探す追加時間はないんだ。
4つの場面で、発見と確認を比べる

時間内に発見・確認
2分でラフの球を見つけ、その場で自分のマークも確認できたケース。他の球がすでにインプレーになったなどの事情がなければ、元の球で続けます。見つけただけで拾わず、まず識別しましょう。

3分を過ぎて初めて発見
中断なしで3分探しても見つからず、3分10秒で初めて発見したケース。球はすでに紛失球です。このクイズの条件なら、1罰打を加え、直前の場所から打ち直します。

時間内に発見、これから確認
2分50秒で候補の球が見つかったが、プレーヤーがまだ離れた場所にいるケース。球の所へ行く合理的な時間と、速やかな識別のための時間は認められます。最長1分という目安は、球の所に着いてからの確認についてです。

暫定球を打っていた場合
ラフで紛失するおそれがあり、あらかじめ暫定球と明確に告げてティーから打っていたケース。元の球が3分以内に見つからなければ、暫定球が1罰打のストロークと距離の救済を受けたインプレーの球になります。後から見つかった元の球には戻りません。
今日のひとこと
見つけた時刻と、確認のための時間を分けて考える。
比較図はルールを説明するためのイラストです。4枚目は、暫定球を元の球の推定位置よりホールに近い場所からまだ打っていない場面を想定しています。元の球が時間内にコース内のペナルティーエリア外で見つかれば、原則として暫定球を放棄します。暫定球を打てるのは、ペナルティーエリア外で紛失、またはOBのおそれがあるとき。単に「もう1球打つ」と告げるだけでは不十分です。
探している途中で、うっかり球を動かしたら?|ゴルフルールのトリビア④では、捜索中の偶然の移動と、球を戻す処置を確認できます。
2回ドロップしても救済エリアの外へ|ゴルフルールのトリビア⑦では、救済を受ける際にドロップとプレースを切り替える場面を整理しています。
根拠:R&A 規則18.2・18.3、R&A 詳説18.2a(1)/1・/3、JGA ゴルフ規則のオフィシャルガイド、R&A/USGA 追加の詳説(2026年10月2日更新)。確認日:2026年10月29日。
本記事のクイズは、ペナルティーエリアの外で球を紛失し、紛失球について別の救済を認めるローカルルールも採用されていない場面です。球がペナルティーエリア、異常なコース状態などにあることが分かっている、または事実上確実な場合は扱いが異なります。競技では採用ローカルルールを確認し、判断に迷ったら打つ前に競技委員へ相談してください。














