ゴルフルールのトリビア|第11回
池のそば、赤杭の内側に球が止まりました。水には入っておらず、何とか打てそう。構えたとき、いつものようにアイアンを地面へ置いてしまった……。今回はペナルティーエリアでのソールと、打ちやすくするための改善を分けて考えます。
Q. 赤杭の内側でソール。地面に触れたら罰?
- 個人のストロークプレー。球は赤線で定められたペナルティーエリア内の乾いた芝にあり、プレー禁止区域ではない。
- プレーヤーはその球をあるがままに打とうとして、球のすぐ後ろへアイアンを軽く置いた。クラブの重さを地面が支える程度で、強く押し付けていない。
- 球は動いておらず、球への接触もない。この動作以外に草を折る・踏みならすなどの行動はなく、特別なローカルルールもない。
軽く置くことと、打ちやすくすることは別
ソールとは、クラブヘッドの底を地面に置くこと。軽く置くときは、クラブ自体の重さを芝や地面が支える状態まで認められます。空中に浮かせ続けなければいけない、という意味ではありません。赤と黄で異なるのは救済の選択肢で、このソールの扱いは同じです。
「触れてよい」と「周囲を整えてよい」は別です。球の後ろの芝をクラブで押しつぶして通り道を作るなど、ストロークに影響する状態を禁止された行動で改善すると、規則8.1aの一般の罰。ストロークプレーでは2罰打、マッチプレーではそのホールの負けです。
球の場所から確認する、3ステップ
- STEP球の位置と、禁止区域の標示を確認
まず球がどこにあるかを見ます。線と杭の両方がある場合、縁を定めるのは線です。水に入っていなくても、その縁の内側の地面に球が触れていればペナルティーエリアの球です。緑の頂部などの標示があれば、プレー禁止区域かをローカルルールでも確認します。
- STEPそのまま打つか、罰ありの救済かを選ぶ
プレー禁止区域の障害がなければ、球をあるがままに打つか、規則17.1dなどの罰ありの救済を選びます。無理な足場や深い水へ入ってまで打つ必要はありません。打つ前に、救済後の場所から次を狙う選択とも比べましょう。
- STEP構えるときも、周囲を整えない
そのまま打つなら、構える際にクラブを軽く置くことはできます。一方、強く押し付けて芝をならすことはしません。素振りで地面や草に触れること自体をペナルティーエリア特有の禁止とは扱いませんが、草を折るなどして状態を改善したり、球を動かしたりすれば別の規則が問題になります。
コーチと確認する、ソールと球の動き

生徒:赤杭の中では、クラブをずっと浮かせるものだと思っていました。置いてもよいんですね。

コーチK:軽く置くだけなら大丈夫。大事なのは、そのエリアから打てる場面か、置く動作で芝を押さえつけていないかを分けて見ることだね。

では、球のそばの落ち葉を取ってから構えるのも同じですか? 球に触れないように気をつければよさそうですが。

落ち葉などのルースインペディメントは取り除ける。ただ、それが原因で止まっている球を動かせば、通常は1罰打で元へリプレースだよ。ソールが認められていても、球を動かしてよいという意味ではないんだ。
4つの場面で、できることを比べる

クラブを軽く地面へ置く
球のすぐ後ろへクラブを軽く置く例。ペナルティーエリアであっても、規則8.1b(4)で認められるソールです。クラブの自重を超えて押し付けず、球にも触れず、球が動いていない場面です。

落ち葉を取り除く
落ち葉や小石などのルースインペディメントは、ペナルティーエリアでも取り除けます。ただし、その行動が自分の球を動かす原因となった場合は、通常1罰打で元の箇所へリプレースします。地面に生えている草は、落ち葉と同じ扱いではありません。

強く押し付けて芝をならす
球の後ろの草へクラブを強く押し付け、スイングする場所を打ちやすくした例。軽く置くソールの範囲を超え、状態を改善しているため一般の罰です。球が動かなかったとしても、これだけで罰がないとはいえません。

プレー禁止区域に球がある
緑の頂部がある赤杭で、プレー禁止区域を標示した例。実際の標示方法は委員会の指定を確認します。その区域内にある球を、そのまま打つことはできません。ペナルティーエリア内のプレー禁止区域に球がある場合は、1罰打の救済を受けます(規則17.1e(1))。
今日のひとこと
赤杭では「触れたか」より、「何を変えたか」を見よう。
ソールしてよいと分かっても、難しいライから打つ方が得とは限りません。足場が不安定、脱出しても次が打ちづらい、球の先に同じ池がある。そんなときは、できることと選びたいことを分け、一打罰の救済も含めて次の一打を考えましょう。
バンカーの落ち葉や小石、拾ってもいい?|ゴルフルールのトリビア③では、似て見えてもペナルティーエリアとは異なる、砂に触れる制限を確認できます。
OBの白杭、スイングの邪魔なら抜いていい?|ゴルフルールのトリビア⑨では、色だけでなく、その杭が何を標示しているかを見る大切さを紹介しています。
根拠:R&A 規則17.1a・17.1b・17.1d・17.1e、規則8.1a・8.1b(4)、規則15.1、規則9.4。JGAの現行規則・オフィシャルガイドとR&A/USGAの追加の詳説も照合。確認日:2026年11月3日。
採用ローカルルールと実際の状況を確認し、迷ったら打つ前に競技委員へ。補足:アイキャッチ・比較図は説明用イラストです。














